この記事では、
「情報処理安全確保支援士のメリット」について解説します。
情報処理安全確保支援士試験に合格したけど、
情報処理安全確保支援士に登録するメリットってあるの?
情報処理安全確保支援士の登録にかかる費用ってどれくらい・・・?
登録するメリットとデメリットを解説しよう。
この記事では情報処理安全確保支援士の登録制度について解説します。
なお、情報処理安全確保支援士試験に合格するための勉強法については「情報処理安全確保支援士試験の対策を徹底解説!実務経験無しでも一発合格できる!」の記事で解説しています。合格のコツやオススメの参考書なども紹介しているので参考になれば幸いです。
情報処理安全確保支援士とは?
IT業界初の士業資格で情報セキュリティに関する国家資格です。
情報処理安全確保支援士試験に合格すると所定の登録手続きをとることで、
情報処理安全確保支援士を名乗ることができます。
ちなみに、
試験に合格しても登録手続きをしないという選択を取ることもできます。
ここでは試験に合格した後、
登録手続きをすることのメリットとデメリットを紹介します。
情報処理安全確保支援士として登録するメリット
安全確保支援士に登録するメリットってありますか・・・?
実はいろんなメリットがあるぞ。
情報処理安全確保支援士のロゴマークを使用できる
情報処理安全確保支援士として登録した者は、
情報処理推進機構(IPA)が制定するロゴマークを使用することができます。
このロゴマークは名刺やビジネス文書、著作物、ウェブサイトなどに掲示できるので、
セキュリティ知識を持つスペシャリストであることを公的に証明することができます。
情報処理安全確保支援士は国によって認められた士業資格です。
ロゴマークによって情報処理安全確保支援士であることを
公的な証明できることは大きなメリットです。
※ 登録セキスペのロゴマーク表示について
(https://www.ipa.go.jp/files/000058507.pdf)
案件への参加条件になる
情報処理安全確保支援士は士業資格であるため、
安全確保支援士であることが参加条件となる案件が増えています。
特に、機密度の高い個人情報を扱うシステム開発などの高いセキュリティレベルが求められる案件では安全確保支援士の需要が高まっています。
また、政府CIOによる「デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン実践ガイドブック」では、
人材に関する要求要件例として情報処理安全確保支援士が記載されています。
安全確保支援士として登録していることで参加できる案件の幅が広がります。
情報処理安全確保支援士を名乗れる
情報処理安全確保支援士は国が制定する名称独占資格です。
安全確保支援士に登録することで、名刺やホームページなどに
「情報処理安全確保支援士」を肩書きとして記載することができます。
逆に、安全確保支援士に登録していない人が
「情報処理安全確保支援士」の名称を使用する事は禁止されています。
もし名刺などに記載して対外的にアピールしたいのであれば、
試験合格後に登録手続きをする意味はあるでしょう。
情報処理安全確保支援士検索サービスに登録される
情報処理安全確保支援士として登録手続きを行うことで、
「情報処理安全確保支援士検索サービス」に登録されます。
「情報処理安全確保支援士検索サービス」は
情報処理安全確保支援士を検索できるサービスです。
情報処理安全確保支援士検索サービスには、
氏名、所属企業、経歴などのプロフィール情報も登録することができます。
自分でホームページなどを作らずとも、
アピールできるウェブ情報を持てるのは嬉しいですね。
情報処理安全確保支援士会(JP-RISSA)の入会
安全確保支援士に登録することで
情報処理安全確保支援士会に入会することができます。
情報処理安全確保支援士会は安全確保支援士のみで構成された組織で、
将来的には一般社団法人になることを目標としています。
会員限定の定例イベントなども開催しているようです。
情報処理安全確保支援士として登録するデメリット
これだけメリットが多いなら、
とりあえず登録しておけば良いんじゃないですか・・・?
そう思うだろう。ただし、この登録制度にはデメリットもある。
登録料 + 維持費用がかかる
これが登録することの一番大きなデメリットでしょう。
情報処理安全確保支援士として登録するには、
手数料などでおよそ20,000円必要になります。
さらに、
情報処理安全確保支援士であることを維持するには、
3年間で合計140,000円必要になります。
これは決して安い金額ではないです。
しかも、維持費用の方は情報処理安全確保支援士として登録している限り、
ずっと必要になるのでなかなか大きな出費でしょう。
受講する講習についての公式ドキュメントはこちら
>> 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の受講する講習について
毎年講習を受ける必要がある
情報処理安全確保支援士として登録すると、
セキュリティ知識を維持するための講習を受けないといけません。
受けるべき講習は
1年に1度受けるオンライン講習と、
3年に1度受ける集合講習があります。
オンライン講座ならまだしも、集合講習となると
一日がかりのイベントになるのでなかなか大変です。
資格の維持にはお金と手間のコストが必要です。
法的義務が生じる
情報処理安全確保支援士は士業資格のため、
「情報処理の促進に関する法律」およびその施行令、施行規則
によって法定義務を負います。
第24条 (信用失墜行為の禁止) 情報処理安全確保支援士は、情報処理安全確保支援士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
第25条 (秘密保持義務) 情報処理安全確保支援士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。情報処理安全確保支援士でなくなつた後においても、同様とする。
第26条 (受講義務) 情報処理安全確保支援士は、経済産業省令で定めるところにより、機構の行うサイバーセキュリティに関する講習(第28条において単に「講習」という。)を受けなければならない。
上記3つの義務に違反した場合は懲戒処分あるいは罰則を受ける可能性があります。
ただ、そもそも論として秘密保持義務などは
安全確保支援士でなくとも守らないといけないですけどね・・・
個人より企業にとってのメリットのある制度では・・・?
個人的には情報処理安全確保支援士の登録制度は
個人より企業にとってメリットのある制度だと思います。
デメリットでも紹介しましたが、維持費用が個人で払うには少し高すぎます。
メリットに関しても、
個人が「私は情報処理安全確保支援士です!」というより、
企業が「うちには情報処理安全確保支援士がXX人います!」
みたいな形でアピールする場面の方が多いでしょう。
そのため、現時点では個人より企業向けのメリットが多い登録制度のような気がします。
終わりに
いかがだったでしょうか。
情報処理安全確保支援士に登録するメリットとデメリットを紹介しました。
「情報処理安全確保支援士試験に合格だけして登録しない」という選択もあります。
メリットとデメリットを検討して、自分に合った選択をしましょう。
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